えむ式

シンプルに生きるための備忘録のようなもの

ミニマリストと言えば良寛さん

ミニマリストで私が真っ先に思い浮かぶのは良寛さんです。新潟県燕市にある「くがみ山国上寺(こくじょうじ)」にある五合庵を2度ほど訪ねたことがあります。五合庵で良寛は47歳からの20年間を過ごしましたが、「えっ、こんなところに人が住めるの?!」とびっくりする、総面積4.5坪、居住空間は6畳間ほどの小さな小さな庵です。

 庵のそばには、「焚くほどは 風がもてくる落葉かな」と、ミニマリストここに極まれりの句碑がありますが、書家としても高名な良寛直筆です。

   五合庵についてはこちら→くがみ山国上寺

良寛(りょうかん、宝暦8年10月2日1758年11月2日〕 - 天保2年1月6日1831年2月18日〕)は江戸時代後期の曹洞宗僧侶歌人漢詩人書家。俗名、山本栄蔵または文孝。号は大愚

引用:良寛 - Wikipedia

 

男性にとっては、良寛晩年の40歳年下の貞心尼との関係が一種の憧れであるらしく、私のかつての職場の上司がそうだったし、夫もそのことを語るときには少々ニヤけます。

 

良寛70歳の時に、30歳の女ざかりの貞心尼と出会いますが、それも貞心尼からの「弟子にしてください!」という熱烈なアプローチがあったから。そして、3年ほどの親密な交流の後、良寛は貞心尼に最期を看取られるわけですからね。もし逆に私の晩年に40歳年下のイケメンくんが現れたらと考えたら、そりゃあニヤけますし、年をとるのも悪くないなと思えてしまいます。

 

「うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ」
良寛の辞世の句、貞心尼に与えたものとされています。私の好きな句のひとつです。

 

良寛は五合庵の佇まいどおり生涯無一物を通しましたが、実はタバコもお酒も大好きだったとか。そこに何事にもとらわれない、そしてこだわりのない軽やかさが感じられて、本物のミニマリストというものが少しわかったように思えます。